秋採用の特徴と戦い方|他の時期の採用とは何が違うの?

一般的な採用活動では3~6月くらいに内定が出されるため、俗に「春採用」と呼ばれます。こののちに夏採用が実施され、秋の採用を目指す採用活動「秋採用」が始まります。
秋採用には採用活動を行う企業側にも就職を目指す学生にもいくつかの特徴があり、春採用と同じ就職活動を行っていては内定がなかなかもらえません。秋採用ならではの特徴を知ることで、戦略を練ってのぞみましょう。
■秋採用の特徴
秋採用は、春採用や夏採用で規定の数の新入社員を集められなかった企業や、内定者が大手企業に就職して辞退されてしまった企業が実施します。
なんとなく「志望者が集められなかった企業」というマイナスイメージを持たれがちですが、上場企業のうち3分の1は秋採用を行うというデータもあります。決してマイナスイメージを持つ必要はありません。
特に2019年卒は売り手市場で、採用枠に対して就活生が少ないため、大手企業でも内定辞退が重なると採用人数が確保できません。大手優良企業を狙っている人にも十分にチャンスがあるので、募集枠には注意しておきましょう。
選考に参加する学生は春採用や夏採用で内定が得られなかった人だけではありません。海外留学から帰ってきた人や部活動にぎりぎりまで打ち込んだ人、公務員試験の受験者などが参加します。また、内定を得たもののより条件の良い就職先を求めて、就職活動を続ける判断をする学生も少なくありません。
■他の時期の採用と秋採用の違い
秋採用は採用枠の穴埋めと位置付けている企業が多く、それほど多くの採用枠が用意されていません。それまでさまざまな事情で就職活動に参加していなかった学生も加わり、倍率はぐっと高くなります。
就職活動を行っている学生の数が春採用や夏採用に比べて少ないため、選考フローが凝縮されており、内定までの選考がスピーディーです。
■秋採用を受ける際の注意点
秋採用は募集枠の穴埋めと位置付けている企業が多いため、たとえ募集期間にまだ余裕があっても、採用人数が確保できた時点で採用活動を締め切る企業もあります。選考がスピーディーなので、気になる企業には早めに応募するよう心がけましょう。
春夏に決まっていないと、焦って「どの企業でもいいや!」などと思ってしまいがちですが、むやみに志望先を増やしても十分な対策ができず、結果につながりません。自分のやりたいことや能力、適性を見極め、企業研究を行って選考にのぞむことが結果的に内定への近道といえるでしょう。
■秋採用でエントリーする企業の探し方
秋採用は多くの大手企業でも実施されますが、春夏に比べて採用枠が小さいので倍率が高く、なかなか選考を突破できません。
中堅どころの企業や中小企業の中にも知られざる優良企業はたくさん存在しています。そういったところにも目を向け、そこで自分のやりたいことや将来像を実現できないか検討してみましょう。
テレビCMなどではあまり目にする機会がなく、一般消費者を対象としたBtoC企業に比べて知名度の低いBtoB企業なども狙い目です。
また大手企業のグループ会社は、資本が安定しており福利厚生も親会社に合わせて充実しているケースがよくあります。親会社に比べて倍率もそこまで高くないことが多いので、検討してみると良いでしょう。
■秋採用の面接でよく聞かれる質問
秋採用の面接では、次のような質問がよく出ます。事前に自分の中で答えを見つけておき、はきはきと答えられるよう準備しておきましょう。
・質問1 なぜ春採用で弊社を志望しなかったのですか?
答えにくい質問に思えますが、留学から帰ってきたなどの場合を除き、内定が出ていないから就職活動を続けているのであろうということは面接官も予測しています。あまりとりつくろわずに正直に答えましょう。「春採用で内定が得られず、自分のやりたいことを見つめなおしたところ御社の業務内容や方針の魅力に気づきました」などの回答が考えられます。
・質問2 なぜ弊社を志望したのですか?
秋採用にのぞむ多くの学生は内定が出ていないので焦っています。しかし、それを伝えるほど常識のない学生は採用されませんし、就職後の将来像が具体的に描けていない学生には魅力がありません。きちんとした企業研究や自己分析を行い、志望動機を答えられるようにしておきましょう。
■春夏採用の反省を生かそう
秋採用まで内定が出ていない人は、自分を責めて落ち込んでいることも少なくありません。「書類に魅力がない」「面接の受け答えに問題がある」など、自分では気づかない問題点がある可能性もあります。就職課やキャリアセンターに相談し、改善できる点を探してみましょう。
面接に落ちたからといって、あなたの人間性すべてを否定されたわけではありません。気持ちを切り替えて次の選考にのぞみ、結果につなげていきましょう。